「なんでこんなになるまで気づけなかったんだろう…」
これは、ある職員からの一言を受けた私の正直な気持ちでした。
ちゃんと耳を傾けていた?

「なんとかやっていけていると思ってた」
「人はギリギリだけど、どうにかしてくれるって言われてた」
「リーダー層が大丈夫って言っていて、まだ大丈夫だと思ってた」
私は現場の人の声を“聞いていたつもり”でした。
元々現場で働いていた私は、
忙しいタイミングや出来事、欠勤等による人員バランスに
臨機応変に対応できていると思っていました。
心配だなと思うと、すぐに主任やリーダーに確認。
「大丈夫だよ」
その言葉を聞いて、そのまま受け止めていました。
でも、本当はぜんぜん「大丈夫」じゃなかったんです。
職員からの言葉

「あのフロア、なんとかしてあげてよ」
そう看護師に言われた時、
「なにが?
大丈夫って言われてるのになにがアクションを起こす必要があるの?」
そう思った。
だけど、いつもとは違う力強い目線。
これは、本気なんだ。
「分かりました、私にできる範囲でなにがあるか、確認します」
ちょうど同じタイミングで退勤するそのフロアの職員に聞いてみた。
「最近どう?」
すると、フロアの職員は、ばっと目を見開き、息を飲んだ。
節目がちに涙目でこう言った。
「もうフロアはとっくに限界だよ…
なにを言っても変わらないんだよ。
なんとかしてよ…お願い…」
その時、頭を後ろから角材で殴られたような衝撃が私を襲った。
違和感はあった。
人員不足に、止まらない離職。
なのに、何度聞いても“大丈夫”と言うリーダー層。
新規入所も、どんどん受け入れていいと言われる状態。
私が現場で働いていたら「大丈夫」な訳がない。
そんな状態での「大丈夫」。
信じてしまった、いや、踏み込むことから逃げていたことに気がついた。
相談員だからこそできること

私はただの相談員。
人事権はないし、シフトを組むこともできない。
フロアのことに深く介入する権限はない。
でも、
権限がないからって、本当になにもできないのだろうか…?
現場とは違って、相談員としてできることはなんだろう…?
辿り着いた答えは、
現場の悩みを“上層部へ届ける”こと。
介護の現場と上層部の“温度差”を、少しでも埋めること。
「何もできない」はずがない。
そう思うことにしたんです。
事実をまとめて、客観的に届ける
現場の小さなサインを、上に伝える通訳になる
誰かを責めるのではなく、「どうしたら」を一緒に考えていきたい。
おわりに
私は“気づけなかった相談員”だけど、
だからこそ、次に同じことが起こらないようにしたい。
「自分に何ができるか」を考えるようになりました。
今より少しでも現場のために動ける相談員でいたい。
そんなふうに思っています。
最後まで読んでくださりありがとうございました。